恋ジグザグ～“好き”と素直に言えなくて～

おにーちゃんの言葉にハッとするあたし。

たしか“白鳥”って、おにーちゃんのカノジョの名前だったんじゃ……？

そーいえば、おにーちゃんのカノジョ、遊園地で同じアトラクションやってる女（ヒト）とか言ってたし……。

間違いないっ。

いま目の前にいるセンタイピンクがおにーちゃんのカノジョなんだ！


長身でスラッとしていて手足が長く、ボディラインがハッキリ分かる全身タイツのコスチュームを着て人前に出ても、ちっとも恥ずかしくないくらいのスレンダーボディ。

おまけにパカッとピンクの仮面と外すと、長い黒髪がわさーっと彼女の胸、肩、背中にゆっくりと広がっていって、仮面の下から現れた素顔がこれまたカワユくて、素顔でステージに立たないのがもったいないくらい。


コノ白鳥ってヒトが、おにーちゃんのカノジョなら、どう張り合ったところで、ハッキリいって万に一つの勝ち目もない。

……ってか、あたし、戦う前から戦意喪失しちゃってるし。



「センパイ、お疲れっ」