恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
そこに今度はセンタイレッドがやってくる。
レッドの仮面を外すと、コッチはホンモノのテレビに出ているイケメン俳優さん並みに、めっちゃカッコイイ若い男のヒトだった。
「センパイって……?」
「紫苑(しおん)、お疲れ。コイツ、もともとはセンタイブルーをやってたんだが、今じゃ、オレの後釜で新レッドをやってんだ」
「じゃあ、さっきステージの上でレッドをやってたのは赤井氏じゃなくて、この紫苑さんってヒトだったんだ?」
「ま、そーいうことになるのかな。それよりセンパイもスミに置けないんじゃない?」
そう言って紫苑ってヒトがニヤニヤしながら、おにーちゃんの二の腕をポンポン叩く。
「そーよね♪ 楽屋にカノジョを連れ込むなんて、英雄くん、ダイターン♪」
白鳥ってヒトもニヤニヤしてる。
「バーカ。コイツはオレの妹分だ」
そんなふたりを軽くあしらうおにーちゃん。
「え? そうなの? なァ~んだ、ボク、てっきりこのコがセンパイの新しいカノジョなのかと思った」
「ン?」