恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
さっき白鳥ってヒト、“楽屋にカノジョ連れ込む”とか言ってけど、アナタがおにーちゃんのカノジョなんじゃないの?

それに紫苑ってヒトは、あたしのこと、おにーちゃんの“新しいカノジョ”だと思ったみたいだし。

え? これって、どーいうこと?

あたし、頭がこんがらがりそうっ。


「そっかァ、英雄くんからいつも話は聞いてるよ♪ あなたが、目に入れても痛くないほどかわいい妹分のピンクちゃんね♪ はじめまして、あたし、ヒーローショーでセンタイピンクやってる白鳥 舞(しらとりまい)♪  同じピンク同士ってことでヨロシクね~♪」

満開のスマイルで、なれなれしくあたしに握手を求めてくる白鳥 舞ってヒト。

対するあたしはいまだ“?(疑問符)の嵐”状態で、無理矢理の作り笑顔で彼女からの握手に応じる。

「あ、あたしも赤井氏から聞いてます。あなたが赤井氏のカノジョですね?」

知りたいような、知りたくないようなことだった。

だから内心は恐る恐る、そして引きつり笑顔で彼女に訊いた。


「ウン、少し前まではね~♪」

その口調がめちゃくちゃ軽かった。
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