恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
「2年前の冬のヒーローショーの最中だった……ワルモノ相手にアクションしてたときだけど……当時のセンタイブルー、つまり紫苑くんのバック転した足が、先代レッド、つまり英雄くんの右目に偶然当たるっていう事故が起きちゃってね」
「じゃ、じゃあ、そのとき赤井氏の右目が」
「そう、失明しちゃったの……失明しちゃったせいでアクションができなくなって、念願だったレッドの役を降板したばかりか、せっかく教員免許まで取ったのに体育の先生になる夢まで諦めるしかなくなったのよ……」
そう言うと、白鳥さんはツヤツヤとした色っぽい唇を辛そうにキュッと噛み締めた。
「そっか……やっと分かったよ……」
おにーちゃんが、あたしの学校に教育実習に来て、その後、見事に教員免許まで取ったのに、どうして学校の先生にならずに、学生時代のバイト先だった遊園地にそのまま就職したのか、ずっとギモンに思ってた。
だけど、その謎がいま全部解けた。
それでスッキリしたはずなのに、いまあたしの頭の中には新たに別のモヤモヤがかかっていた。
“妹分のあたしが知らなかったことを、事故現場に居合わたからとはいえ、2年も前から白鳥さんが知っていた”
そのことが、あたしにオンナとしての嫉妬心を抱かせたからにほかならない。
「じゃ、じゃあ、そのとき赤井氏の右目が」
「そう、失明しちゃったの……失明しちゃったせいでアクションができなくなって、念願だったレッドの役を降板したばかりか、せっかく教員免許まで取ったのに体育の先生になる夢まで諦めるしかなくなったのよ……」
そう言うと、白鳥さんはツヤツヤとした色っぽい唇を辛そうにキュッと噛み締めた。
「そっか……やっと分かったよ……」
おにーちゃんが、あたしの学校に教育実習に来て、その後、見事に教員免許まで取ったのに、どうして学校の先生にならずに、学生時代のバイト先だった遊園地にそのまま就職したのか、ずっとギモンに思ってた。
だけど、その謎がいま全部解けた。
それでスッキリしたはずなのに、いまあたしの頭の中には新たに別のモヤモヤがかかっていた。
“妹分のあたしが知らなかったことを、事故現場に居合わたからとはいえ、2年も前から白鳥さんが知っていた”
そのことが、あたしにオンナとしての嫉妬心を抱かせたからにほかならない。