恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~

「あたしはガキじゃありませ~ん♪ 産もうと思えば、もう子どもだって産めるカラダだし、もうすぐ16歳の誕生日だから、法律上16歳は結婚だってできちゃうし、結婚したら20歳(ハタチ)になる前でも“成年”として扱われるんだから♪ うわっ、あたしって、めちゃめちゃオトナじゃん♪」


「あっ、ボク、ソレ知ってる。“婚姻による成年擬制”だね?」

「さっきまで泣いてたヤツは黙ってろ」

「黙るのは赤井氏のほうだよ。さすが紫苑さんってインテリですね~」

「紫苑くんは法学部の現役大学生だから」

「なるほどね~♪ 頭の中までキン肉で出来てるどっかの誰かさんとは大違いだァ♪」

「ケッ、勝手に言ってろ。それよか、お前こないだの電話で自分の進路について悩んでるみてぇなこと言ってやがったが、テ前ぇで決めて、やったことに対してキチンと責任とれねぇヤツのことを、世間じゃガキっていうんじゃねぇのか?」

「…っ!?」

さっきの言葉はカチンときたけど、今度の言葉はグサッときた。


「ガキ扱いされたくなかったら、テ前ぇで決めたことに後悔なんかしてんじゃねーよ」

「………」
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