恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
相墨くんに一方的にモーレツな片想いをして、行くつもりじゃなかった工業高校に進学したあげく、玉砕して路頭に迷っているのは紛れもない事実。
まさに“痛いところを突かれた”ってところだ。
ガチャーンッ!!
そのとき、あたしたちのテーブルのすぐ横で、さっきの金髪×ミクロサイズ×アニメ声のウエイトレスの女のコが、派手に転んでトレイに乗せてた食器カンケーをカフェの床にブチまけてしまった。
「だ、大丈夫っ?」
慌てて、あたしと白鳥さんと紫苑さんが彼女の拾うのを手伝いはじめる。
「す、スミマセンっ」
その声がやっぱりアニメ声だった。
「ごめんね、思いっきりオーバーワークさせちゃって」
紫苑さんはココのカフェの責任者であると同時に、ウエイトレスさんの上司でもある。
「仕方ないデスヨ。バイトのコが急に辞めちゃったんですから、残ったウチらでその穴を埋めるしかないデス」