恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
「も、もしかして、ココで働いてくれるんデスカ?」
「紫苑さんが雇ってくれたらだけどっ♪」
そう言って突然立ち上がるあたし。
そして、おにーちゃんに向かって声高らかに宣言をする。
「あたし、ココでバイトすることに決めたから。自分で考えて決めたことだし、ゼッタイ後悔なんかしない」
「お前イキナリなに言い出すんだ?」
あっけにとられている感じのおにーちゃん。
「今までは親にもらったおこづかいで欲しいものを買ってたけど、これからはちゃんと自分でおカネを稼いで買うようにするよ。そーいうのって、なんかオトナな感じするよね? ねっ? するよねっ?」
「まぁな、たしかにそーいうふうに言えなくもないかな」
「あたしがココで頑張って働いたら、赤井氏だって、少しくらいはあたしのことをオトナ扱いしてくれるよね?」
「三日坊主で辞めなけりゃな」
「辞めないよっ。ゼッタイ辞めないっ」
あたしはまっすぐおにーちゃんの目を見て言った。