君のモノ
約束した通り、
俺達の間に恋愛感情は一切無い。
けれど、恋愛感情は無いが
いつからか
体を重ねるようになった。
愛の無いその行為は、
ただ虚しいだけに
思うかもしれないが
そんな風に思ったことは
一回もない。
それは、人の温もりが
感じられるから。
寂しさを紛らわせることが
できるから。
勿論、この関係を
よく思わない人も
多くいるだろう。
俺だって、よくないとは思う。
でも、寂しさに
負けてしまいそうになって
時々自分の存在している意味が
わからなくなってしまう。
そんな時に温もりを感じることで
“ああ、生きてるんだ”って
思える。
そして、希未も俺を同じように
必要としてくれた。
今の俺があるのは、
希未のおかげなんだ。