君のモノ
それから数日経ち、
“希未が起こしてくれて、
起きたら朝食ができている”
なんだかそれが、
当たり前のことのように
感じてきた頃の朝のこと。
「湊、起きて」
「……んん、…あと…5分…」
「早く起きてー」
まだ閉じていたいと言うように
瞼が重い。
それをこすって、目を開ける。
視界が開け、眩しい光が差す。
その光になれると、
次に飛び込んでくるのは
希未の呆れた顔。
毎朝これを繰り返しているから、
この表情にも慣れた。
何故か、くすぐったい気持ちになる。