君のモノ



それから数日経ち、
“希未が起こしてくれて、
起きたら朝食ができている”
なんだかそれが、
当たり前のことのように
感じてきた頃の朝のこと。



「湊、起きて」


「……んん、…あと…5分…」


「早く起きてー」


まだ閉じていたいと言うように
瞼が重い。

それをこすって、目を開ける。


視界が開け、眩しい光が差す。

その光になれると、
次に飛び込んでくるのは
希未の呆れた顔。


毎朝これを繰り返しているから、
この表情にも慣れた。

何故か、くすぐったい気持ちになる。


< 29 / 41 >

この作品をシェア

pagetop