君のモノ
あの日は、
まだまだ寒い2月の下旬。
車を運転しながら外を眺めると、
白い息を吐いて
足早に人が歩いている。
仕事で溜まった疲れを
振り払うかのように頭を振ると、
普段は見えないものが見えた。
今まで一度も
通ったことのない道。
そうだ、たまには違う道を
行ってみよう。
そんなことを思って、
左の道を進む。
そこは、人通りが少なく、
車も通らないので
かなり静かだった。
大通りから一歩外れると
ここまで静かになるんだ。
チラチラと周りを見ながら運転する。
すると、何かが目にとまった。