君のモノ
部屋を出た後、
恥ずかしくて苦笑いで頭を掻いた。
偶然、隣の人が出てきたら
絶対怪しいって思われるな、と思って顔を引き締めた。
車に乗り込み、会社へ向かう。
うちの会社は、
ここから30分前後の所にある。
比較的、近い場所をえらんだ。
時々、急に呼び出されることがあって、遠い所では困るから引っ越した。
この仕事は色々と
大変なことが多いが、
それはどの仕事も同じだし、
それ以上に、今は昔より
この仕事にやりがいを
感じられるようになったから、
苦痛とは思わない。
それに、希未が居てくれることで
家事の負担が減って、
前よりも多く睡眠がとれるようになった。
本当に希未には感謝の気持ちでいっぱいだ。
俺の方が遥かに
プラスになってるんじゃ
ないだろうか。