君のモノ
会社に着いて受付を通り過ぎると
いつものように
機械的なあいさつが聞こえる。
チラッと目をやると、
2人の中の1人がこっちを見て
ニコッと笑った。
ああ、嫌だ。
面倒なことにならなきゃいいけど。
なるべく避けようと思いながら、
無視するわけにもいかないので
お辞儀だけしてエレベーターに向かった。
まずは親父の所へ行かなければ。
オレンジの光が横へ横へと
移動するのをジッと見ながら
今日1日のスケジュールを
頭に思い浮かべて整理していた。