ほしのどうわ

うごかない

-うごかない、うごかない-
 
そのひとはもううごかない、うごけないんじゃなくてうごかない。
 
かわらない、うごかない…まっかなうみのちゅうしんで、そのひとはうごかない。
 
そらとほしは、うごかないそのひとがうごかないわけをしっていた。
 
でもなにもいわない、ほしのことばはひとにはわからないから、だからただ…うごかないそのひとをみつめてた。
 
かぜとじかんがそのひとをけしてしまうまで、そらとほしはそのひとをみていた。
 
えがおがきえて、こわいものがそのひとをうごかなくした…おなじひとなのに、うごかなくした。
 
ばかだなぁとおもってみていたそらとほしは、そのひとにあめをふらせた。
 
あめはこわいものをつたってそのひとをつつみこんだ。
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