1人のお嬢様の願い
4:転校生
「なんでよ…!なんで、私が…。」
ただいま、職員室前にて、転校生と待ち合わせ中……
凪百合め……
憶えてなさいよっ!
なんのために保健室に行ったと思っているのよ。
「はぁ………」
「あの…」
「え?!はい、なんですか?」
て、転校生かな?!
いきなり後ろから声をかけられ、急いで振り向くと…
「あの、三橋乃さんですか?転校してきた堂浜です。」
そこには、私が想像していたがり勉くんではなく…。
どこにいても、モテそうな一般にかっこいい男子だった。
「……あ…はい。そうですが。
堂浜…飛翔[ドウハマ ツバサ]さんですよね?」
自分の想像とかけ離れていたため戸惑いながら、名前を確かめた。
「はい。よろしくお願いします。」
にこって笑った堂浜さんの顔に張りついたような笑顔……?
無理して笑ってんの……。
分かりやすっ!
「あの…俺、顔に何かついてますか?」
「え?!」
わ、私じろじろ見てた?!
「あ…いや…。
あっ!名前ちゃんと言ってませんでした…。三橋乃詩依良です。」
あ、危ない…。
話、無理矢理変えたのバレたかな?
でも…ついてるって言ったら。ついてるよね?
作り笑顔が……
「詩依良…。ふーん……三橋乃詩依良さん。よろしくお願いします!」
この作り笑顔苦手……
「あ…あはは。じゃあ、案内…しますね。」
堂浜さんは苦手だな。
そんな事を思いながら、私達はそこを離れた。