1人のお嬢様の願い
「はぁ〜。しょうがないか…。」
黙って従うしかないな。
今の学校、授業暇だったしな。
「…あ〜。こ、瑚莉…ちゃん。」
「ちゃんなんて、いらないよ。兄さん。」
ニコッと笑ったこ…瑚莉の表情はお父さんに似ていた。
「あぁ…わかった。で、学校ってどんな感じ??」
「私は、中等部だし詳しくは知らないけど。確か…今年の高等部一年生は名家が揃ってるって言ってたなぁ。」
瑚莉はなんていう名前か忘れたけど。と付け足した。
「…名家ねぇ…。まぁ、目立たないようにするよ。」
『…飛翔。金持ちなんて信じちゃ……』
…また、父さんの言葉が聞こえた気がした。
…しつけぇな……。
「それより兄さん、転入試験は大丈夫なの??私の学校、冗談抜きでレベル高いよ。」
心配そうに言った瑚莉に対して、答えたのは母さんだった。
「あら!瑚莉ちゃん、大丈夫よぉ。このバカ息子、頭だけはいいからね。」
「…運動もできるんだけど…。」
まぁ…やるしかないってか。
新しい…学校…か。
まぁ、どこに行っても教える内容。教える奴ら。
皆一緒だ。
今の学校よりレベルが高いといいんだけどな…。
「…俺ァ…疲れることは、したくはないんだけど…な。」
「…?…兄さん?とりあえず、試験頑張ってね!」
瑚莉は、心配そうな表情を笑顔にして言ってきた。
「…ん?あぁ。転入できるよう頑張るよ。」
……ま。頑張らねぇけどな!(笑)