1人のお嬢様の願い
─ジブン。
――……ということが、あったわけで。
学校にきた途端、父さんの言葉を信じまくってる、俺って……
だせぇな。
今は、自分も金持ち。
それでも、父さんの言葉を信じている俺は。
どれが自分なんだろう。
「…どうにかしなくちゃいけねぇな。」
無駄に広い今の俺の教室で、小さく呟いた。
「…どうか…されました…??」
隣から聞こえた、小さな声に、驚いて横をむいた。
隣には三橋乃詩依良。
前を見て、授業を受けているが、ちらりとこちらをみて言った。
「…堂浜さんは…独り言が多いんですね…。」
小さな声で言うとほんの少し笑ってまた、前に向き直した。
…こいつは、よく分かんねぇな。
案内をしている時は、感情が全然分からなかった。
笑っているのか、笑ってないのか微妙だったけど…
今のは…笑ってた。
…この俺に、どんな影響を与えてくれるんだろうか?
三橋乃と関わって、
吉とでるか凶とでるか…。
さぁて…
こいつは一体何者なんだろうか?