1人のお嬢様の願い
6:自分の中
帰りのHR。
今日も、授業…暇だったな…。
窓の外を眺めながら、ため息をついた。
この学校、金持ちばっかで特別な学校みたいになってるけど。
やってることは公立と一緒だと思う。
学校の造りや設備。制服とかは、きっと特別なんだと思う。
…いっそ、公立に行けばよかったかしら。
まぁ、周りの目を気にしないことはできないけど。
ここにいると、あの人に閉じ込められているみたいで息苦しい。
でも、私はまだ1人では何も出来ない。
用意されたものをこなす、ただの人形。
どんなに、あの人を否定しても。
どんなに、反抗しても。
「1人では…何も出来ない…。」
小さく誰にも聞こえないように。
少し騒がしい教室に呟いた。
そう。私は、反抗することしかできない…。
あの人の、
お父様の、《人形》。