1人のお嬢様の願い

─夜の中庭


手紙を開いて内容を見た時、少し驚いた。


だってそこには

《今日は読んでくれたかしら?
 詩依良、あなたの気持ちを
 知りたいわ。
 もっとあなたと話したいの。
 中庭で待っているわね。》


キレイな字でそう書いてあった。


「……お母様……。」


あなたは…いつも待っていたの?

来ないことは分かっているのに。


手紙をもう一度読むと、それを持ったまま部屋からでた。


そして走って中庭に向かった。



こうゆう時、無駄に広いこの家にむかつく……


あーっ、もうっ!!


普段は絶対にしないけど、階段を一段とばしで駆けおりた。


…お嬢様が
こんなことしていいのか。(笑)


って思ったけど、あえて気にしないことにした。
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