世界は残酷な女神の笑みを理に

四節｢招かれた不幸に引き返すという言葉はない｡｣

──…新着メール一件…──



flom:[高萩 勝弥]


高萩勝弥(ﾀｶﾊｷﾞ ｶﾂﾔ)は､俺の友人であり､今日学校に行った後に遊ぶ約束をしていた｡


─…彼奴は無事だったのか…｡

蓮は安堵の息を吐きつつ､メール内容に合わせてセンターキーを押し､内容に視線を向けた｡


[なぁ､ちょっと話があるから､いつもの場所に来てくれよ｡章(ｱｷﾗ)と芹香(ｾﾘｶ)達は呼んどいたからさ｡]


｢話…？んー…了解…と｡｣


俺は返信を打ち返しては胸ポケットに携帯をしまい､いつもの場所へと向かった｡


いつもの場所､其は大学の授業後に大抵皆で話をしたりする広場で小さい敷地ではあるが､周囲に民家がないからか､夜に皆で酒を飲んだり騒いでも何も言われない為に友人の中では｢いつもの場所｣で通っていた｡


いつもの場所に向かう道のりは不自然さが明らかに分かった｡


壁に寄りかかり眠った様にぐったりとした人が居れば､民家の窓を見れば殆んどがカーテンを閉められていた｡


何で､警察や救急車が居ないんだ…？
こんなに危ない状況で…､誰も電話しない訳がない｡