Darkness Butterfly

「は?」

もちろん、夏弥の呟きが良壱の耳に届いてる訳がなく、また呆れた顔で…言われた。

「何でもない。」

あたしはあくまで、普通の高校生をしていたいので、わざわざ良壱が聞いて呆れるか激怒するかの言葉を言いたくない。

「なんだよ。」

「何でもないって。」

「言えや。」

「言わない。」

「言えっつってんだろ。」

そんなあたしの行動が…良壱を半キレ気味に陥れたのは間違いではない。

「何でもないです。」

敬語を使ってみた。

「ここら辺、海あったよな。」

良壱は意味不明な事を言い出す。

夏弥、助けてくれ。と視線を送ったものの、微笑んでいた。

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