Darkness Butterfly

“早く、良壱に別れを言わないと…”

あたしは近くの時計を壁に投げた。

派手な音を出して、壊れる。

耳鳴りがすごいするけどあの声は聴こえてこなくなった。

それと同時にバイブ音が聞こえた。

今、何時なんだろ?

ってか、さっき時計壊しちゃったし。

ベッドの上でバイブ音のする携帯に手をのばす。

ディスプレイに映し出されたのは。

“桐生良壱”の文字。

もう登録されてる。

ボタンを押して、電話に出る。

「あのー…。」
『どこにいる。』

怒りが声から伝わる。

「……怖っ。」
『だまれ、どこにいんだよ。』

あたしの意見を聞くような耳を今は持っていないらしい。
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