Darkness Butterfly
あ。
沈黙が流れる。
「ごめん。」
あたしは手をあげて、言う。
あたしの顔か、声が酷いのか夏弥が強張った顔でこっちを見ている。
「今のは、良壱が悪いだろ?」
夏弥は言った。
「は?」
「良壱がしつこいからだよ。」
夏弥の躊躇ない声が鋭く聞こえた。
思わず、あたしは噴き出した。
背中が少し痛いけど、お腹を抱えて笑った。
夏弥も笑った。
良壱は馬鹿馬鹿しいとか言いながらも笑顔だった。