Darkness Butterfly
白々しい嘘。
もう本当に誤魔化す事もフォローのしようもないくらいの嘘。
挙げ句の果てに、あはは…なんて乾いた笑みまで零してしまった。
「…言いたくない事か?」
良壱は遠慮がちに聞いてくる。
あたしは良壱の肩に手を置いて、至近距離から良壱の顔を見て、頷いた。
「わかった。」
何がわかったのかは、わからないけど。
今はまだ聞かないでくれる事に感謝した。
あたしはそのまま、良壱の腕の中から移動して隣に座った。