Darkness Butterfly

白々しい嘘。

もう本当に誤魔化す事もフォローのしようもないくらいの嘘。

挙げ句の果てに、あはは…なんて乾いた笑みまで零してしまった。

「…言いたくない事か?」

良壱は遠慮がちに聞いてくる。

あたしは良壱の肩に手を置いて、至近距離から良壱の顔を見て、頷いた。

「わかった。」

何がわかったのかは、わからないけど。

今はまだ聞かないでくれる事に感謝した。

あたしはそのまま、良壱の腕の中から移動して隣に座った。
< 129 / 300 >

この作品をシェア

pagetop