Darkness Butterfly
良壱の言葉が頭に響く。
「は?」
あたしはそっちを向いた。
「あんた、この後に及んでまだ頭冷えてないわけ?また、街から追い出すよ。」
動じない顔で、良壱は言った。
「強がってる女はモテないぞ?」
モテなくっても、いい。
強がってなんかない。
「とにかく、今日は泊まってけば?傷の手当てとか、一人じゃ出来ないだろ?」
夏弥は止まった空気をかき混ぜた。
「そう…する。」
どうせ、家に帰ったって誰もいないんだし。