Darkness Butterfly

「よく耐えたねぇ、那瑠は。」

帰り際、亜美が笑って言っていた。

「何が?」

「あの女。南から来た奴なのに、偉そうなだから一発お見舞いしてあげたんだ。」

亜美は指の関節を鳴らして、そう言った。

「あたしも、もう少しでそうする所だった。」

そう言ったら、あははっと笑われた。

「帰んぞ。」

良壱の声が聞こえて、あたしは良壱の家に帰った。

歯を磨いていたら、良壱が来て一緒に歯を磨いた。

人と関わるのは疲れる。

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