Darkness Butterfly

視線を逸らして、テレビを見る。

「言った事、ないデス。」

カタコト日本語になってしまった。

「那瑠。」

強い力で肩を良壱の方に向かされた。

「俺が質問してるのには目見て答えろ。」

「…うん。」

その焦げ茶の瞳に少しだけ怯んだ。

そして、そんな約束をしてしまった事に後悔。

目を見られると見透かされる気がして。

気付いたら、良壱の顔が近くにあった。

額がぶつかって、思わず目を閉じる。

あたしの唇と良壱の唇が触れる。



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