Darkness Butterfly
冗談っぽく、夏弥は付け加えた。
あたしは微笑んだ。
隣の良壱は、あたしの頬の涙を手で拭う。
「…今、俺は夏弥ん家に引き取られた。」
静かなその声で、良壱が言う。
「飯行くぞ、飯。」
肩を抱かれてそのまま、立ち上がった。
「はいはい。」
夏弥も後から来る。
良壱の家族のことを知った。
だから、かもしれない。
あたしは罪悪感に包まれた気がした。
そして、出来事が起きてしまった。