Darkness Butterfly
「行く。」
そう言うとすぐに電話を切った。
今頃だけど、あたし、二人の冗談に振り回されたのかもしれない。
我ながら馬鹿だ…。
「行くぞ。」
静かに放たれる言葉にあたしは立ち上がり、玄関に向かった。
「お前、コートは?」
怪訝そうな声で聞かれて家にある、と考える。
寒いんなら、パーカーでも羽織っていくか。
と、いつものロングパーカーを羽織った。
「…今度、買ってやる。」
そんなあたしを見て、良壱は予想を超えるような事を呟いたから、
「は?」
なんて聞き返す。
そしたら、「あ?」と不機嫌そうな答えが返ってきた。