Darkness Butterfly

5日間、学校とその倉庫に通った。

相変わらず、学校では良壱と夏弥の姿を見なかった。

雅と皐月は中庭をうろついているのを見たけど、声をかけなかった。

多分、夜の世界の方ではあたしの噂が広まっているはず。

下手に関われば、その人間も巻き込まれる。

南の女の下の奴は、名前を“アカリ”というらしい。

でも呼んだりはしなかった。

警戒心がなさすぎる。

なんで上にいたあたしがわざわざここまで格を下げるのか。

そして、六日目。

「あんたさぁ…なにが目的なわけ?」

遅いんだよ、気づくの。

あたしは少し眉を寄せて“アカリ”の目を見る。


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