Darkness Butterfly

殴ったり、蹴ったりしてる時は半分意識が飛んでいた。

でも殴られたり蹴られたりしてる時は痛みを覚えた。

我ながら、良い根性だなと思う。

ズルい、と思う。

咳き込みながら歩いた。

夜中だったからか、人はこの喧嘩に気づいていないらしい。

壊れた携帯は、拾ってポケットにしまった。

そして、良壱の家に向かおうと繁華街に入ったところで朝日が見えた。

目に光が入ると同時に、肩が痛んだ。

シャッターの閉まってる店の端にうずくまる。

深呼吸をしたいんだけど荒い息になってしまう。

肺が酸素を欲しがってる。


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