Darkness Butterfly
ちょっとだけ心外、とあたしはまた壁に寄りかかった。
本当は、酒も煙草も大丈夫なあたし。
でも、良壱は酒も煙草もやらせてくれない。
それって実は、あたしの長生きに繋がってる。
刺そうとはしてないか。
あたしは運ばれてきた酎ハイを飲んだ。
そしたら、また。
涙が零れてきた。
嗚咽も鼻水も出ないのに涙ばかりが零れる。
だから、あたしも最初は気づかなかった。
やっぱり、涙腺が壊れたのだろうか。
「那瑠?大丈夫?」
夏弥が小首を傾げ、そう聞いてくる。
「一杯目から酔ったのかよ。」