Darkness Butterfly
お父さんのこと。
「…あぁ。」
良壱は普段はしないのに相槌を打ってくる。
…良壱もお父さんを亡くしてる。
「お父さんが亡くなったら、お母さんが壊れちゃった。
時々、夜中に喚いたり、暴れたりする。
それで親戚の人達から病院に入れた方が良いって言われて、今は病院に入ってるんだけど。」
良壱が背中にまわす腕に力が入った。
「病院に入る前…お母さんを、宥めていたんだけど。
あたしもその頃、イライラしてて暴れて蝶になって…。
初めは気付かなかった。」