Darkness Butterfly
あたしに主導権を譲るって…。
ぽかん、と口を開けっ放しにしているあたしを見る良壱。
「俺らに拒否権はない。あるのは…決定権だけだ。」
相当間抜け顔をしていたあたしは、口を結んだ。
あるのは、決定権だけ。
「いい。」
やっぱり、羽瑠とはちゃんと向き合わないとならない。
そうしないと、あたし達は進めない。
二年前、血まみれになったあの日から。
あたし達は進歩しないといけない。