Darkness Butterfly
それからしばらくして、携帯電話の音が鳴った。
あたしではない。
今は、きっと良壱の家のテーブルの上にポツンと置いてあるはず。
携帯をとったのは、夏弥だった。
「もしもし…あぁ…あ?分かった、すぐ行く。」
一分もしない内に、電話をきった。
「…馬鹿が出た。」
夏弥の声を聞いて、良壱は溜め息を出す。
あたしは、呆れて笑った。
今日は正月だから、浮かれて馬鹿な事をする奴も増えるんだろう。
北街の殆どを占めるこのチームの上の人間は、それの始末をつけないといけない。