Darkness Butterfly

「行きますか。」

アキヒトさんは立ち上がった。

それに続けて、海も夏弥も良壱も立ち上がる。

あたしも立ち上がろうとした。

「那瑠は待ってて。」

夏弥の言葉に、体がフリーズした。

小首を傾げると、海が拝むようなポーズをとっていた。

振り向くと、雨水はチョンと座っていた。

待ってるの?

と聞く前に、ドアが閉まる音がした。

あたしは短く舌打ちをすると、またソファーに座る。

「雨水は行かないの?」

聞いた。

「うん。」




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