Darkness Butterfly

感情


今日、星を見た。

夜は騒がしくなった北街では、珍しい事だった。

「お前、特攻服とかないのかよ。」

「喧嘩する気ないし。こっちの方が動きやすいし。」

「喧嘩する気満々じゃねぇか。」

あたしはケラケラ笑う。

良壱も特攻服は着ないらしい。

今日は、倉庫の部屋に二人きりだった。

夏弥もアキヒトさんも、海もいない。

穏やかだとは思えないけれど。

「…那瑠。」

「何?」

「怯えた顔すんな。」

「してない。」

そう言うと、頬を抓られた。



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