Darkness Butterfly
玄関に出て、良壱がこっちを振り向く。
「何が。」
あたしは良壱の服を掴んだ。
「なんで制服なの!?」
罰が悪そうに良壱はあたしから目を逸らして、服を掴んだ手首を掴み返された。
今日、あたしは三年になる。
良壱は一年上だから、この前卒業したはずじゃ…。
「り、留年?」
恐る恐る聞く。
そういえば、卒業式に出ていない。
「黙れ。出席日数の問題だ。」
そんな言い訳じみたことを。
手首をグイッと引っ張られて、顔が近づく。
静かにキスをした。