Darkness Butterfly

あたしが普通に女の子をやって来たなら…もしかしたらもう少し可愛く言えたかもしれない。

『体に良くないよ?』

と言えたかもしれない。

「なりたくはない。」

灰皿に煙草を押し付けた。

でも、あたしは煙草を止めて、とは言えない。

だって過去に一度吸っても良いって言ってしまったのだから。

「…何が言いたいんだよ。」

良壱は、次の煙草へとガラステーブルに放られた煙草ケースに手を伸ばした。

あたしはサッとそのケースを手に取る。





< 292 / 300 >

この作品をシェア

pagetop