Darkness Butterfly
やがて、派手な音を出して参上したレディースの頭。
チカチカする金髪が目に入る。
「夏弥、そういうのは緊張を知らないんじゃねーよ。肝が座ってるって言うんだ。」
レディースの方を見向きもせず、良壱は夏弥に言う。
あら、ありがとう。とあたしは肩を竦めてみせた。
「久しぶり。へぇ、女連れか。」
レディースの頭の言葉に良壱はゆっくりと顔を向けた。
「顔、見せてみな。」
けれど、レディースの頭は良壱を見ず、真っ直ぐあたしを見ていた。
あたしも睨まず、真っ直ぐ見透かしたように見てやった。
ここで睨んだら、ただの牙を向く馬鹿な犬だ。
金髪に紅い口紅。
思い出す。
ここら辺を指揮してたレディースの…。
名前が出てこない。
「亜美、関係ないだろ。」
隣で夏弥は言った。