Darkness Butterfly
あ、そうか。
亜美だっけ。
「見せなっつってんだろ。」
低い声を出した。
私はそっぽを向いて、夏弥のバイクに寄りかかった。
亜美は舌打ちして、タバコをくわえる。
こいつ未成年じゃないのかな、なんて呑気に考えた。
「あんたら…。」
動かない良壱と夏弥に腹を立てて、こっちに来ようとした。
ガンッと音をたてて、良壱が足で亜美の行く手を阻んだ。
そして、あたしの腕を引っ張った。
グイッと亜美の前に顔を出す格好になった。
うわ、この女…。
「化粧厚っ。」
素直に声が出る。
後ろでは、良壱が笑いを噛み締めているのがわかった。
亜美は顔を歪めて、あたしの胸ぐらを掴む。
「いい根性してんじゃん、この女。マジ、焼き殺したいね。」
良壱は次に亜美とは反対にあたしを引っ張る。