Darkness Butterfly
出会い
「起きろ。」
低い声が耳に飛び込んできた。
あたしの体はビクッと反応して目がさめた。
あたしはうなだれた格好でいた。
黒いシーツが見えた。
「あっぶねぇな。」
肩を支えるその声は、ほっとした声で言う。
シーツ…ベッドの上?
あたしは危険を察知して逃げようとした。
でも、そんな力も残っていなくて。
腕の一部が痛い。
「暴れてんなよ。」
ベッドからずり落ちそうになったあたしの手首をもって戻す。
あたしは、言葉を発せずに手首を取り返そうとした。
「お前…。」
相手が覆い被さってきた。
背中がじわりと痛む。