Darkness Butterfly
亜美は肩を竦めるように笑って、
「こんな小さい子だったんだ。」
と感想を述べた。
それは、歳の事か。
それとも。
…背の事か…。
後者でない事を祈って、自分を抑えた。
あたしは棒キャンディーを転がして、頬の筋肉が痙攣したのがわかった。
「あの話乗ってあげる。」
「あぁ。」
良壱が亜美の言葉に頷いた。
「名前は?」
私に聞いたみたいだから答えた。
行くよ、と低く響く亜美の声でレディースが動いた。
「行くぞ。」
良壱がバイクの音に負けないくらいに低い声をだした。
「那瑠。」
夏弥がヘルメットを投げてきた。
「あ、うん。」
あたしはバイクに乗った。
亜美と良壱の会話なんて関係ない、と思ってた。