Darkness Butterfly
「R:N…?」
何かの暗号?
良壱のイニシャルではない。
良壱と…Nのつく。
あたしは那瑠だけど。
でもこれをくれる前から良壱がかけてたから…。
色々考えていたら、どんどん眠くなってきた。
「おい。」
危うく鏡に顔をぶつけそうになった。
入り口を見たら、壁に手を付けてこっちを見ていた。
「何分磨いてんだ?」
「何分…?」
私はぐるっと周りを見回して、
「ここに時計はないぞ。」
「あ、そっか。」
「30分。」
私はあら、と肩を竦めてみせた。
そして口をゆすいだ。
「なんかあったか?」
良壱は心配してそうな声を出す。
今ならあたしを刺せるのかもしれない…。
こいつ、隙を狙ってるのか?