Darkness Butterfly

夏弥もあたしもキョトンとお互いの顔を見る。

えっと…。

夏弥はお化けじゃないんだけど?

何をどうフォローすれば良いのだか…。

「那瑠さん!夏弥さん!」

違う方向からでかい声が聞こえて、あたし達はそっちを向く。

そして

「皐月、雅の事よろしくね。」

あたしは振り向きも躊躇もせずに言って、足を前に進める。

“闇の蝶”の頭に立つ者はこうじゃないといけない。

“闇の蝶”だけではない他の暴走族もそうだ。

時として、人に感情移入をしてはならない。

するだけ無駄だ、とは思わないけれど。
して良いものだ、とは思わない。

人やモノの上に立つ者はそうでないといけない。



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