Darkness Butterfly
「本当にレディースじゃないし幼いんですね…。」
柔らかい声が聞こえた先にいるのは紅い髪。
あたしは知らない人に少し困惑して、良壱を見た。
「“狼の眼”の頭。
明仁(アキヒト)だ。」
重要な点をギュッと縮小して答えてくれた。
「那瑠は会ったの初めてだよね?」
隣の夏弥は、問いかけてくる。
「初めても何も、“狼の眼”って“龍の牙”の系列のとこじゃない。」
あたしは肩を竦めた。
前から面倒な事には首を突っ込まない事にしている。
それは愚連隊の中の決まり事のようなモノ。