Darkness Butterfly
普通の子
それに、あたしはあまりこっちで顔を知られたくない。
理由があるから。
解散後、あたし達は外に出て壁に寄りかかりながら座る。
夏弥と良壱に挟み込まれてしまった。
目立つなぁ…。
なんてぼんやり考える。
考えながらも行動に移さないのは、どこかで諦めがついているからか。
倉庫の中で動いている愚連隊を見ると、もう力の差が出ているらしい。
「てゆーか…。」
「何だ?」
良壱が答える。
別に良壱に質問した訳ではないけど。
「普通の子はやっぱりいない…。」
あたしは呟いてみた。
「そりゃ、普通の奴がここにいたら。こっちが困るからな。」
そうッスよねぇ。
短い溜め息が出る。