Darkness Butterfly
海を見つけて、聞いてみた。
「俺も探してんだけど、どこ行ったんだろ。」
イラついた顔をしながら歩き出した。
行ってしまったから、あたしも探そうと思う。
どっかで煙草吸ってんじゃないよね。
と思いながら、トイレに足を運ぶ。
「…あんなのただのガキじゃん。」
「普通ってか、地味…」
女子トイレの前で、ドアノブに触ろうとした手が止まっていた人が見える。
その手は微かに震えていた。
それは、多分今さっき聞こえた女子トイレの中での会話と関係があるに違いない。
「…。」
後ろに立つあたしに気づいていない。