Darkness Butterfly
横から、男の声がした。
「拷問。」
相手は、きっぱりと答えるとあたしの胸ぐらから指を外した。
「可哀想じゃん。」
まったく…、と文句を言っている。
知っている。
黒髪の男も茶色い髪の男も。
「なぁ、こいつ。知ってるだろ?」
茶色い髪の方は、さぞかし不愉快そうに聞いた。
「知らないよ。良壱の知り合い?」
こっちを見ずに引き出しをガサガサと漁っている黒髪。
あたしの腕を持った。
小さな悲鳴を上げた。