Darkness Butterfly

「なんだよ。」

茶色い髪はあたしの腕を持ったまま聞いた。

あたしは答えない。

「答えろ…。」

はっと思いたように、茶色い髪はあたしの長袖を捲った。

「ヤキ入れられたのかよ…。」

イラついた低い声で、茶色い髪は言う。

あたしは庇うようにして、手で覆った。

掴まれた腕を振りほどこうとしたけど、力が出なかった。

「“闇の蝶”…の。」





< 9 / 300 >

この作品をシェア

pagetop