SEVEN‐GUARDIANS
扉を開くと風が彼女の長い髪をなびかせた。
「いけないっ。
窓を締め忘れたのね。」
ミーアが部屋の窓に近づいていくと、やはり窓が開き風を舞い込んでいた。
窓に近づくにつれ、あるモノが目に入った。
「きれいな鳥……」
窓の桟には小さな鳥が、静かに佇んでいた。
羽は月光に輝き、美しかった。
ミーアが鳥に近づいても逃げる気配は無く、そっと手を差し伸べるとちょこんと指に飛び乗った。
ミーアが鳥を撫でようと手を伸ばしたとき
“汝は何を求める?”
唐突に声が聞こえた。
耳からではなく頭の中に。
「誰?
私に話し掛けるのは…?」
辺りを見回しても目に入るのは指先にとまる鳥だけだった。
まさかと思いつつ、「話し掛けるのはあなた…?」と鳥に問い掛けてみる。
“そうだ。私だ。”
予想外な答えに目を見開く。
“私はこの鳥を通して汝と話している。
私の事は…そのうち分かるであろう。”
「え?」
ミーアは現状を頭の中で整理しはじめた。
今では、これが現実かさえ分からなくなっていた。